晴耕雨読の日々

我は動かぬ石かはたまた空を貫く風となるか、時折徒然を呟く

藤が描く影

【 自然 】

雨の歌
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自然の働きにただただ驚く。
掲載の写真は藤棚の影である。
意図しないことはこの年までくると
数多あるけれど。
自分の意思すなわちこうあって欲しいと
思ったりこれだけは嫌だと思うこと。
流転のようにくるくると瓦解となる。
突如として降りかかる運命のような
出来事がこの写真。
藤が盛りと訪ねるとこの圧倒の影。
意図のない影こそが生きる道筋かな。
微妙に連関して妥協を拒まない。
そんな勝手な思いをものともしない
秀句の勢揃いである。

なまはげの里は平らぐ春の暮
友に群るお花畑の自己保身
錆こぼしつつ小満の船箪笥
此の夜らに白白浮かぶ地獄蕎麦
遠くより眼差しとらふ大牡丹
打つ雨に街は一気に若葉冷
来し方をしみじみ語る末の春
枇杷が好きその半分は種が好き
降り止みてまた降り初めぬ夕立かな
万緑や疎水の音のやはらかき  
夏花の蕾開かば紅の色
川魚捌きし父の洗膾かな
頬杖のひそと間のある夏の草
七日ほど庭を見ぬ間や夏の草
夏夕や農家に花の苗を買う
遠雷にじゃんけんの声途切れたり
夏めきて模様替えなど思い立つ
真っ新の構図一枚五月晴
音に聞く平泉いま青嵐
茶の実さえ醜女の如くなり果つる
村つなぐ吊り橋ひとつ日傘ゆく
雲の峰優しき木霊返りくる
心太突きだす夜さの汁粉椀
富士はるか友の遙かに新茶汲む 
力尽く蚯蚓の空の高きこと
堂々とショートパンツのをんなかな
暮れかけて海月のように淡き月
ジョバンニと賢治を越えて春の虹
待ちわびて足跡重ね木下闇
皐月雨道の草にも降り注ぎ
かはほりの飛行は何にあやつられ
廃坑の町を出でけり羽抜鳥
夏蝶と奈良の小道を横切りぬ
水中花いのち始まる泡一つ
夏帽の数だけ好奇心あらん
うらうらと京を眼下にみどり摘み 
夏めきて全てのものの立ち上がり
君と見る遠野の初夏やかつぱ淵
鉄柵に目先の利きてクレマチス
いっぱいに蛇口を開けし夏の庭



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春の妖精に逢う

【 徒然 】

a (580)

立夏の過ぎた札幌。
なのにベランダから望む山並みはまだ雪が残る。
大方しばらく予定していたことが片付いたので
春の妖精を見に出かける。
もちろんニンフはスプリングエフェメラルである。
可憐な二輪草の咲く野原の背景は雪嶺が。
隆々と聳え立つ雪の山はまだ春を終わらせない。
今月も変わりなく仲間の人たちの句を披露します。
徒然の日々の中で綴り合った息吹きをどうぞ。

今はまだ家路を避けて春の宵  

両手なら五指に収まる春銀河  

先延ばししていたものに春の雷  

人混みに溺れ浮上す春の鴨  

真っ青な空得意げに春の昼

荒畑に覚えなき朱の鬱金香 

水色の空に春雲カフェの窓 

匂ひ立つ素馨の花や稚児の家 

人の来ぬ雨の桜よ吾来たり 

花の間を縫ふて飛行機雲のゆく 

春雷の彼方へ浅き水の音 

行く春や薄茶三口に畳の目 

黒髪のひかり豊かに花の風 

夜の帳降りて桜に明けし朝  

花冷えの廊下に重く陶の壺

一斉に空持ちあげて花水木

猫ひとりいざ春闇に出陣す

蘖の倒れし母樹の命かな

季節越え亡き人繋ぐシクラメン

竹秋の見渡す山は立ち騒ぐ

ラムを焼く煙花蒸す北の宴

結婚す友の手紙や春愉し

猫の目の煌々として春の果

遠足のおかず泥棒黒烏

空き家とて今年も咲けり木瓜の花

津軽路の林檎の花や小布刺し

幼子へ渡す襷の風光る

雲雀鳴く微睡いまや呼び覚ます

種芋の切られ化粧の土へ嫁す

キルト縫ふ日永に描く愛の詩

貸し茣蓙に花冷え捲きて立て掛ける

散る花は散らせて山は重くなり 

縄文の丘を従へ土筆伸ぶ

桜散る朝マネキンの無表情

春風や二塁ベースにをんなの子 

里山の闇始まりて朧かな

風の街風に向かへよ風車

生垣の鼻の高さの躑躅かな

旅立ちや駅舎の梁の燕の巣

春耕の土に備えし農具かな

風光る水平線を隠す街

後ろより友が駆け寄る春外套

春昼のどこかの路地で時止まり

朧夜の湯を踏む音の聞こえをり

覚めやらぬ睡り囀り抱いている



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黙想

【 音楽・スポーツ 】

黙想 
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片栗の花。古語では堅香子(かたかご)である。
黙想の曲に似つかわしい。
春真っ先にあの艶やかな花色に魅せられて
よく出かけたものである。

とんと冬の只中に居てインドアばかりの日々
であるなら春の装いが待ち遠しい。
まだ周りの山肌には雪が残っているが
あと半月も経つと桜の便りも届くだろうか。

うつらうつらの冬ごもりの間にも心嬉しい出来事
がありました。
新しい講座が始まってやむを得ずサヨナラした
子供達との剣道。

冬の終りに子供たちのあるイベントがあって
半年ぶりの再会でした。
わたしが手放してしまった剣道をずっと続けて
いてくれてその発表会がありました。

あの大観衆の中に大きな「黙想」の声が響き渡る。
ひと筋の精神がその声に込められていた。
ああ報われたと思う瞬間。これがあるからこそ。

山笑ふたった一度のさよならと

報われなくても良いと始めた句座の人たちとの
結びつき。今月もこんな句が揃いました。
黙想の心根をそっとご披露です。

藪椿一輪のみの静けさよ

草の芽をなぞり行きたり犬の鼻

春服を縫ふてミシンのリズム生む

桜咲く集合場所は巫女溜まり

奥沢や朝の芹摘む手の香り

身を丸く母と嗅ぎ合ふ風信子

花の中遊ぶ小鳥と吾がゐて

父子の摘む谷地蕗の花母の手に

社員らの耳打ち合いて浅き春

川岸に鳥も遊びて春すすむ

五千余の手形絆に風光る

桜の実生らば雀の宿となる

春泥や急ぐものみな拾い足

たらの芽や今年の山に分け入れり

広辞苑ほどの豆腐に針納め

淡雪に濡れて冬芽の動きだす

帰り道妻の手を引く春の暮

矢の如く白鳥引きし北の空 

肩の荷を下ろし晴れ晴れ初桜

春風に喫茶店の戸開きみむ

高嶺より千切れて浮かぶ春霞 

米二合研ぐ手を休め春の月

煮魚の鍋の中まで花曇

春の夜に静寂伝ふペンの音

木蓮の気高き白の空に映ゆ

春暁や北斗は宙を飛び出せり

沈丁の香に背の押されけふの道 

寄る波を残して春の遊覧船

うかうかと泥沼に入る春の闇

霞む日の石で釘打つ別れかな 

春月の零れし街の北に住む

小人像囲みて咲けりクロッカス

稜線のへへへと笑ふ斑雪山

川底の泥のぬくもり春来たり                 

春雨や鳥の一声聞きもせで

斑雪へと音走り来て大花火 

見上ぐればたっぷりの花なだれ落つ

新店の花輪も憎し花粉症

吾もまた後ろ盾なき根白草

つくしんぼ土手いっぱいの輪舞かな


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晴れやかな顔でいるか

【 写真・水彩画 】

She / 忘れじの面影 
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BGMは「She」。何処かで聴いたことがあるはず。
映画「ノッティングヒルの恋人」の主題歌です。
何度観ても涙を浮べる名画。
まだ情感は薄れていないのかと安堵します。

添えた水彩画はラナンキュラスの小品。
花言葉は「光輝を放つ晴れやかな魅力」。
ジュリア・ロバーツは晴れやか笑顔をふりまく。

さて小生は晴れやかな笑顔でいるか。
何やら大きなイヴェントを引き受けたものだから
ブログの更新も遅々としている。

嘗ての優先順位からの癖が抜けずにいるが
今好きなことを先にと思っているならそれで良い。
限られた時間に少しだけのお裾分けをと考える。

誰しもこの閉塞感から抜け出したいはず。
ただ黙しているより優しい気持ちで人と繋がる。
互いの優しさが何となく絆となれば良い。

句会を通した絆。仲間達の息吹きをどうぞ。

希望とも夢とも見えぬ春北斗
浮足の寄居虫となり隣町
生きて来し篝火花のなほ燃ゆる
土匂ふベランダの窓磨き上ぐ
靴下の編み目解けて猫柳
雨上がる四方山はるか朧なる
花咲かむ思へば此処も花の道
八重山の遠くにありて梅の花
梅の枝を飛びかふ鳥よ抱きしめる
薄ら日にふぐりの花の眠りをり
梅が香のはるか飛び来よ北の国
腕時計はづすひと日や春の朝
手探りの母でありけり木の芽風  
いだくもの気づかぬふりや鳥曇 
そつと抱く残り香いまだ初名草 
春立ちて島の明かりの淡くして
遠目にも紅梅群れて山染むる
鳥さえも連れ添うて飛ぶ春空に
木漏れ日の光映して春障子
まず春の最中にありて梅見かな
青々と名物カレーや流氷期
親子してため息もらす蜆汁
老人を子に還したり春の風邪
卒業子渡せぬままの手紙かな
古雛年毎に減る笛太鼓
気概ある文届きたるみづがらし
廃人にならぬと記す雪の果
春動く文末にまだ努力とす
タピオラと言ふ師の逝きて春の星
主逝き錆浮く農具土の春
春近き風や揚屋の赤き壁 
天鵞絨の鼻緒のぬるる春の雪
人声の幹に沁み入る冬木かな 
いつの間に生きて転んで冬安居 
天上に春の雪ただ春の雪 
くるまれてまだまだ眠い猫柳
青天や雨垂れポツリ春兆す
土を恋ふ日陰の雪を堀り急ぐ
春の鹿右の角から落としけり
ランドセル背負わず帰る卒業生


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他の日に

【 詩・俳句 】

Another Day ← BGMを聴きながら
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写真は「裸樹のままポプラ立つあの美空」

カテゴリが「詩・俳句」なのでタイトルを「他の日に」とした。
BGMを♪Another Day としたからです。
Another Day の直訳は 『今日ではない別の日に』となる
ので、つとどのつまり 「他の日に」としてみた。

さて、とどのつまりって何なのさと又日永ページを捲る。
「とど」って出世魚のボラのことなんだなあ、これが。
「ハク」から「オボコ」「スバシリ」「イナ」「ボラ」まで名を
変幻に変えるが詰まりは「トド(ボラ)」で終わるのが所以。

おっと、これは筆者自身じゃないの。
トドの詰まり、もう名を変えることも無いだろうに御託を
並べ立てる毎日である。
アナザーディ・・愛の日の翌日に春待ちの息吹を伝えたい。
秀逸の仲間たちの如月句である。


白黒を並べ夜明けの雪催い
山あふぐ冬日の道を辿り来て
歯並びの良き音したり冬林檎  
幾重にも命秘めたる枯木立
兎跳ね広野に続くけんけんぱ
いくつもの橋や夕日の都鳥
熱燗をたぎらせ干物かじりけり
妣の背のまだ追ひ越せず室の花
雪の夜やしみじみ過ぎるかの発露
厳寒を此の身にあまし誕生日
待春の流れは淀み鳥の寄す
冬萌の野に遊びたるひと日かな
野に生きる笹を喰らひて冬の鹿
雪待夜なにやら侘し灯りかな
風花や伸べる手指の染めてゆき
夢うつつ二度寝の蒲団手繰り寄せ
雪降りて降り積もりては闇白し
母想ふ夫の無口や寒の雨
投げ上げるこゑも受け止め掛大根
登り坂尾灯を見せぬ吹雪かな
朽ちた家ここは風花二丁目か
まだ咲かぬ梅園に在り雲と吾
夫婦共機嫌の佳き日春近し
春近し音標といふ町に住む
ポケットに悴む右手招き入れ
冬帽のまだ見えてゐる別れかな
陽の弱き大樹の下に積む落葉
古鎌の刃の鈍きこと冬の月
朝まだき広ぐ雪景寂として
優しさの肩を打ちくる霰かな
人柄の滲む手紙や雪の声
角砂糖ひとつが残り雪催
着ぶくれて犬と戯る夕べかな
雪空に独り暮らしを杞憂せり
春近し瀬戸内の海あな照りて



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プロフィール

◎ 今人- imajin

Author:◎ 今人- imajin
湿ったアスファルトには
春風が消え夏の息吹が漂う
あの青々とした山間に棲む
コロポックルの戯れ
邪気のないことに憧れて
恋焦がれる思いを託すのさ
鈍色の空を只管仰ぎながら
何度薄暮の時間を迎えたか
長い長い冬の時間に萎れて
灯りを見出せないままの辛さ
無為の日々を過ごすことは
とてつもなく悲しい
影のように重なる自分が居て
ただその場に蹲っていた
閃光のような光が与えられて
照らし出されたわけでもなく
今を生きていることに気づく
そうさ多くは望まなくとも
森羅万象に眠る慈愛を
つまびらかに明かすが良い
葉漏れ陽に包まれて
僕は此処に居る

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

冒頭の詩は、今を生きる人
をタイトルにしています。
あまり、肩肘を張らない
タイプの人間ではあります
が、少し勢いを付けたいと
思う今日この頃。

詩のタイトルに倣って、
筆者名は【今人-imajin】
となりました。お気づきの
ように、ジョンレノンの
イマジンも模倣した訳です。

どちらかと言うと、
アスファルト・ジャングル
よりも山川に出没するのが
多いのですが、テリトリー
ではないので、吠えません。
万物万象には、畏敬の念を
忘れないようしています。

ただ自然の中にあるエナジー
は、日々の暮らしの糧になり
ますので、ちょいと拝借を
しています。
その場で文筆や写真・水彩の
記録をさせてもらってます。

その時折の呟きやら写真・
水彩画などを掲載するつもり
でいます。お訪ねのあった
機会には、拙い散文の背景や
行間を探ってみてください。

筆者として望外の喜びです。
よろしくお願いします。

連絡先はこちらに
banshow114☆yahoo.co.jp
☆を@に変えてください

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